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タイトル: 中等教育段階の音声言語能力育成カリキュラム開発の実践的研究 ―日本語音声の韻律的特徴に着目した音声言語指導―
著者: 吉田, 隆
キーワード: 音声言語
韻律的特徴
カリキュラム
国語教育
発行日: 2009年3月25日
出版者: 奈良教育大学
収録種別: 学位論文
内容記述: 奈良教育大学修士学位論文, 学位の種類: 修士(教育学), 学位授与年月日: 平成21年3月25日
抄録: 本研究の目的は、国語科教育の中で実践されてきた音声言語教育の歩みをふまえて、中等教育段階での音声言語能力を育成するための新たな国語科カリキュラムを開発し、提示するところにある。なぜ、これまでの音声言語教育が目指してきた方向からの転換が必要なのか。それは、小学校に国語科が設置された明治33年以来、日本人が共通に理解し合える日本語をつくりあげるために、国家の政策として標準語教育を国語科の使命としてきたことに由来する。話し言葉と書き言葉の融合や分離の試行錯誤を繰り返す中で、現代日本語が形作られてきた。国語科の歴史的な変遷を見ると、日常的な話し言葉の生活よりも、書き言葉の読み書きに重点をおいた指導を展開してきた。しかし、21世紀に必要とされる言語能力とは、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」のバランスがとれた言語運用能力である。そしてグローバル化する国際社会の中で、言語を相対化する視点をもった日本人が求められている。そのためには、日本文化と密接に結びついた日本語の特質を理解し、日本語によるコミュニケーションの本質とは何かを体得していくことが必要であると考える。現在、インターネットや携帯メールなど、生活を簡便にするツールによって、言語運用について新たな局面を迎えている。これまで私たちが、読み、書くことで伝承してきた文字言語文化を、有効に機能させていくためにも、話し、聞くことの文化を発達させることが不可欠となっている。
そこで求められる国語科教育は、国語の規範を教える正しさ志向から脱却し、生活言語の実態を学習対象とする音声言語教育である。生活言語の実態を学習対象とするためには、国語科教育だけではなく、他の研究領域の知見を利用していくことが必要となる。本研究では、音声学の分析手法を用い、日本語音声の韻律的特徴(アクセント、イントネーション、ポーズなど)に着目した。さらに、日本語教育で培われてきた第二言語学習者への実践的知見や、日本語学で研究されてきた日本語の文法研究の知見なども取り入れ、中等教育段階の6年一貫音声言語教育カリキュラムを試案として作成した。この国語科カリキュラム試案は、1年から4年までの段階で、日本語音声の韻律的特徴に着目した授業を展開し、5・6年では、4年までに培った日本語音声への理解を「書くこと」「読むこと」の授業につないでいくことで、音声言語と文字言語の特質が理解されるものと想定している。1・2年ではできるだけ体験的な学習を行い、3・4年ではその体験を基に探究していくことができるように配慮した。5・6年の学習計画は、生徒の授業評価による生の声(音声の韻律的特徴を勉強することがどのように役立つのかわからない)に応えるために構想したものである。日本語音声の韻律的特徴という、母語話者にとっては自然に習得しているがゆえに、日常的にはほとんど意識されない側面に着目した本実践研究は、これまでの国語科教育の中では行われてこなかった実践であり、音声言語指導への新たなアプローチを提起している。今後の課題は、日本語の韻律的特徴に着目したカリキュラムが、中等教育段階に有効であることを検証することである。
ノート: *中等教育段階での1年とは、中学1年のことであり、6年とは高校3年のことを指す。
言語: jpn
URI: http://hdl.handle.net/10105/9094
出現コレクション:2008年度(平成20年度)修了

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